10.13.2011
Stand By Me.
なぜ今この文章をUPする気になったのか自分でもよくわからないけど。
私のなかで一生大切な、兄からの手紙だから。私を原点に戻してくれるから。
形にして記憶に残しておきたいと思って。
勝手にあげちゃうけど、ごめんね。お兄ちゃん。
これは私がLAに行ったあとに兄がmixiに書いた日記。
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「近くて遠い。」
(ちょっと文長いけど...ごめんぴょ)
先日、アメリカへ行ってしまう妹を見送りに成田空港まで足を伸ばしました。
僕は一人暮らしで関東におり、妹は三重の実家に住んでいます。中部国際空港から成田経由で乗り継いでアメリカに発つので、成田空港で少し会えるということでした。
早起きをして地図を見てバイクで出ました。
妹が成田に着く1時間前には空港に到着し、一緒にご飯を食べる場所などをチェックしたりして待ちました。
到着は予定より30分早くなるということで、会う時間が延びたと喜んでいました。
ところが飛行機が到着して30分経っても妹は出てきませんでした。
どうしたのかと思い、妹と携帯で連絡を取りました。
実は妹の便(中部国際~成田)は国際線扱いの国内線で、中部国際空港を出た時点で出国手続きを行っており僕と会うにはまた入国手続きのような事をしなければならなかったのです。日本にいながら日本にいない状態。映画「ターミナル」みたいなもんです。
でもこの手続きには時間がかかり、当日は混んでいたので乗り継ぎの便に間に合わないかもしれないから外に出ないほうがいいと空港係員に言われたそうです。
つまりは、時間は出発まで1時間以上あるけれど会えない。ということでした。
正直ヘコみました。
自分は実家を離れて暮らしているので妹含め家族とはなかなかコミュニケーションがとれず、もどかしい思いもするのです。
妹が帰ってくるのは1年後。
1年会えないのに初めて地元を離れる妹に会ってやれないのは悲しくて、悔しかった。なんて言ってやろうか、どう励ましてやろうかと考えてきた言葉も直接言えない。。
どこか、ひと目会える場所はないかと思い、あちこち探しましたが、防犯のためもあるのでしょう、出国手続きをした人間と外部の人間は完全に壁で仕切られており、まったく会うことができませんでした。
妹も何度も係員に聞いたけれども「やめておいたほうがいい」と言われてしまうようでした。
これはちょっとほんとに会えないかもな...と正直あきらめかけました。
携帯で話しながら、「今何階にいる?」「何が見える?」と走り回り、ここはダメか、あっちはどうか、と空港内を行ったり来たりしました。妹は電話の向こうで泣き声でした。
そして、妹が「吹き抜けになっとるところがある。天井がアミアミ。上の階に千葉銀行って書いてある。その横にヤシの木。」
と言いました。
あ、天井がアミアミ。でも千葉銀行?あ!あった、千葉銀行の看板!その横に...ヤシの木!!
ヤシの木のそばには高い高いガラス塀があり、その向こうは下の階へつながる吹き抜けでした。
ガラス越しに見下ろすと...
「あ!おった!!」
下の階から妹が上を見上げて立っていました。
やっと見つけました。
一ヶ所だけ、ガラス越しですが中の様子が伺える場所があったんです。
見つけた瞬間、うれしくて涙がこぼれました。
とてもうれしかった。
しばらく会えない妹をひと目でも見ることができてほんとうにうれしかった。
こんな、ガラス越しでしかも居る階も違う。
妹との距離は10メートルくらいだったでしょうか。
これが現在可能な最短距離でした。
携帯で、
「せっかく会いにきてくれたのにごめんなぁ。」と妹は泣き声で言いました。
「ええよ。全然ええよ。会えてよかった。顔見れてよかった。」
搭乗時間まで残り5分ほど。
「もう行かなあかんわぁ。」
「うん、じゃあ行っておいで。がんばんなよ。帰ってくるのまっとるで。」
話せたのは2分くらいだったでしょうか。
本当はふたりで食事をしながらゆっくり話すつもりでした。
それが会えない事になって、へこんで、なんとか会えないかと走り回って。
でもたった2分でも、10メートル先でも、顔が見れてほんとによかった。
自分は家族を愛しとるんやととても深く実感しました。
それから僕は屋上に上がり、妹の便が無事離陸するまで見送りました。
涙が止まらなかった。
あんな会い方しかしてやれなくて。抱きしめてやりたかった。
用意していた説教じみた台詞も言えず、買ってあげたCDも朝書いた手紙も渡せず。
でも、遠くに行ってしまう妹が、無事で帰ってくれればいい。
それだけだと深く思いました。
いまどき海外に渡る事なんて珍しくもなんともないけれど、
僕にとっては家族との絆を実感する大切な出来事だったので日記にしました。
一番初めの日記がこんなに長くてすまんねぇ。
個人的な話を最後まで読んでくれた人、ありがとう。
あのガラスには誰かのキスマークが2つついていました。
ガラス1枚で分けられた家族や恋人が別れを惜しんだのでしょう。
またあえる日を待ちながら、自分の日々をがんばる事にします。
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あの時ガラス越しに兄の顔が見れた時のほっとした気持ちは今でも忘れません。
近くて遠い。
兄と別れたあともずっと泣きっぱなしで、絶対変な子やと思われてたやろな。私。笑
涙が止まらなくて、泣きながら搭乗したら機内のCAの人が
「wow, I like your hair!」
と唐突もないことを言って、一瞬で私を笑顔にしてくれたことを覚えています。
家族の支えがあって今ここにいると実感しています。
ありがとう。ありがとう。
兄がLAに会いに来てくれたときに撮った大好きな一枚。
Santa Monica, California
こんな秋の夜長には譲先生のこの曲。
(夜長っていうか、もう朝だけど)
このバージョンも嫌いじゃない。アーバン感が強めだけど。
コードがいじれないパターンでちいさくてごめんなさい。
night night.
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